Koshu's Music

中村湖舟の部屋。音楽をより楽しむための情報を発信中

音楽理論

【ギター1本で始める音楽理論】第2回 コードの基本を覚える

投稿日:11/13/2020 更新日:

こんにちは、湖舟です。

「ギター1本で始める音楽理論」の第2回です。今回からいよいよコードの基本についての話に入っていきます。ルート、3度、などの言葉の意味は解説せずに話を進めてしまうので、度数に関して詳しく知りたい方は前回の記事↓をご覧ください。

【ギター1本で始める音楽理論】第1回 度数とコード

第2回で学べること

  • メジャーコードの構成音
  • マイナーコードの構成音
  • サスペンディッド・フォース、#5(aug)、♭5の意味
  • パワーコードの意味
  • ギターコードを「形」はなく「構成音」で捉える考え方

ではいきましょう!

メジャーコードから始まるコード理論

「コード」とは、複数の楽音が同時に響いている状態のことです。適当にいくつか音を選んで鳴らしているだけでは綺麗な音になかなかならないので、一定の規則を与えることになります。

コードの基本は「ド・ミ・ソ」

まず覚えて欲しいことは、コードの一番シンプルな形はド・ミ・ソである、ということです。
ギターが手元にある方は、ドとミとソを同時に弾いてみましょう。5弦の3フレットがド、4弦の2フレットがミ、3弦の開放がソの音になります。
5・4・3弦を同時に弾いてみると、明るい響きの和音になりましたね。これがド・ミ・ソの3音からできている「Cメジャー」というコードです。通常「メジャー」は書かず、単に「C」と表記されることが多いです。

「ド・ミ・ソ」は1・3・5

「C」という名前が付いているのは、ドの音がこのコードのルート(1度)になることを指しています。ドが1度ということは、ミが3度(長3度)、ソが5度(完全5度)の音になりますね。
では、この関係を保ったままルートを変えてみましょう。薬指で6弦3フレット、中指で5弦2フレットを押さえてください。そのまま6、5、4弦を同時に弾いてみましょう。6弦3フレットがソ、5弦2フレットがシ、4弦開放がレの音ですね。こちらも明るい響きがします。ソを1度にすると、シが3度、レが5度になっており、これは「Gメジャー」というコードになります。

すべてのコードはメジャーコードの変化形

このように1度、長3度、完全5度の三音からなるコードを「メジャーコード」と呼びます。すべてのコードはメジャーコードを変化させたり、音を付け加えることで作られていると言えます。「コードの基本はド・ミ・ソである」という表現をしたのは、メジャーコードの中でも1度がドの音であるCメジャーの構成音がド・ミ・ソということです。

コードを「押さえ方」だけで覚えない

ここまで読んでくださった方で、ギターに少し触れたことがある人の中には、「CやGの押さえ方が自分の知っているものと微妙に違う・・・」と思った方がいらっしゃるかもしれません。
ギターの初心者向け教則本や、コード譜の中では、C・Gは次のように表されています。こういった、人差し指でセーハせずに開放弦を用いて鳴らすコードを「ローコード」と呼びます。


メジャーコードの構成音を説明する時に用いたコードより、押さえる場所も弾く場所も増えています。メジャーコードの構成音は3つのはずなのに、教則本にかいてあるメジャーコードは何故か音数が多い。こうした些細な違いがギターという楽器と音楽理論の間にギャップを生んでいる一因であるように思います。なぜ音数が増えていると思いますか?

答えは単純です。オクターブが違う同じ音が一つのコードの中に含まれているからです。

Cのローコードの構成音を見てみましょう。5弦の3フレットはド、4弦の2フレットはミ、3弦の開放はソ、2弦の1フレットはド、1弦の開放はミです。使われている音はすべて、Cの構成音であるド・ミ・ソですね。つまり、ド・ミ・ソだけが使われているコードなら、何音同時に鳴らしてもCであることになるのです。指板上にド・ミ・ソはどれくらいあるでしょうか。

青がド 黄がミ 赤がソ

上図がド・ミ・ソの位置を24フレットまで記したものです。極端な事を言うと、このうち青(ド)黄(ミ)赤(ソ)が同時に弾けていれば、全部Cという事になります(※)。最初に挙げたCメジャーのローコードはそれらのうちの1つに過ぎません。
コードを覚える時、どうしても「形」で覚える事に固執してしまいがちな方も多いと思います。「形」で覚える事も重要ではありますが、コードを「構成音」で把握する事ができれば、Cメジャーという単純なコード一つに対しても、非常に多様な押さえ方ができるようになります。これから様々なコードを紹介していきますが、どのコードに対しても「コードの構成音と、指板上での位置」を常に意識しながら進めましょう。これに気をつければ、表現力が一気に増します。

(※) この言い方は実際には不正確です。まずルート(一番低い音)はCである必要があります。またメジャーコードはもともと三和音なのですが、オクターブ違いの音が含まれていても便宜上まとめて「Cメジャー」と呼んでいることになります。一部の音を省略する事も可能です。(後述)

3度の音を変えてみる

メジャーコードがすべての基本となることが分かったら、早速変化させていきましょう。メジャーコードにおける3度の音を半音下げると、マイナーコード(m)になります。また、3度の音を半音上げたものをサスペンディッドフォース(sus4)と呼びます。それぞれについて詳しく見ていきます。

マイナーコードの構成音

ルートがCなら、3度はミの音なので、これをミ♭に変えます。ギターでは、5弦の3フレットがド、4弦の1フレットがミ♭、3弦の開放がソの音になりますから、これらを同時に弾いてみましょう。メジャーコードよりも暗い響きになったことがわかると思います。このように、1度、短3度、完全5度からなるコードを「マイナーコード」と呼びます。ここではルートがCなので「Cm」と表記し、Cマイナーと読みます。
3度の音を半音下げると、コード名に「マイナー」という言葉がつくことと、3度の音はコードの明暗を決定することができる、ということを覚えておきましょう。

サスペンディッドフォース(sus4)とは

メジャーコードにおける3度の音を半音下げるとマイナーコードになりましたが、半音上げるとどうなるでしょうか。5弦の3フレット、4弦の 2フレット、3弦の開放を同時に弾いてみましょう。メジャーコードとは少し違いますが、マイナーコードほどは暗くない、独特の響きがしませんか?
この時、このコードの構成音はド・ファ・ソになります。ドが1度の時のファは完全4度でした。(長3度の音を半音下げると短3度になりますが、半音上げると完全4度になります)3度の音を4度まで引き上げるので、このコードには「C サスペンディッドフォース(C suspended 4th)」という名前が付いています。譜面上では「Csus4」という表記になります。4度の音が3度に引っ張られ、メジャーコードに戻ろうとする性質があるので、コード進行の中ではsus4→メジャーという順番で使用されることが多いです。(例 Csus4→C)

3度の省略(パワーコード)

ここまで3度の音を上下させるコードについて解説しましたが、3度を省略してしまう手法もあります。ハードロックやパンクでよく用いられる「パワーコード」というものです。1度と完全5度のみで作られているコードであり、音の明暗を無視していることになりますが、歪みをかけたギター演奏を行う場合、3度が入っていることで音が潰れてしまうことがあるのでよく出てきます。ギターの音を歪ませる場合、音のインパクトが強くなるので、ルート音の進行感だけを残せば曲として十分成立しますが、アコースティック楽器でパワーコードを使うと物足りなくなってしまうことがあるので注意が必要です。

5度の音を変えてみる

続いて、5度の音が変化したらどんなコードになるのか解説します。完全5度が半音上がると増5度(短6度と同じ音です)になり、半音下がると減5度になります。

#5(シャープ・ファイブ)、aug(オーギュメント)

まずは1度、長3度、増5度からなるコードを考えてみましょう。メジャーコードの5度の音を半音上げたものですね。ルートがCなら、構成音はド・ミ・ソ#になります。これは「C(#5)(Cシャープファイブ)」と表記します。「Caug(Cオーギュメント)」、「C+」と表記されることも多いので、どの書き方でも把握できるようにしておきましょう。

ではこのまま3度の音を半音下げたらどうなるでしょうか。構成音はド・ミ♭・ソ#ですね。実はこのコードはとある理由から使いません。ここについて序盤で詳しく解説すると逆に混乱してしまうと思うので、とりえず「5度の音を半音上げるコードでは長3度を使う」、くらいの認識で大丈夫です。#5(aug,+)の表記方法と構成音だけ覚えておいてください。

♭5(フラット・ファイブ)

続いて5度を半音下げたコードについて考えてみましょう。#5の時とほぼ同じ表記方法で、#5が♭5に変わります。なので、1度、長3度、減5度からなるコードは、ルートがCなら「C(♭5)(Cフラットファイブ)」となります。C-5と表記する場合もあります。3度を半音下げて、1度、短3度、減5度からなるコードにした場合は、「Cm(♭5)(Cマイナーフラットファイブ)」ということになります。フラットファイブ・マイナーフラットファイブはかなり不安定な響きなのですが、比較的よく登場するコードです。次回の記事で解説しますが、これに7度の音を足したm7(♭5)として使われることが多く、使い方によってはかなりお洒落な進行感を生み出すことができます。どのように使われるかについては少し先の記事で解説することになると思います。

おわりに

今回はコードの基本であるメジャーコードと、メジャーコードを構成する3音を変化させることで作られるコードについて解説しました。
次回は3つの音に新たな音(7度)を加えることでできるコードについて解説していきます。
それでは。

-音楽理論

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

【ギター1本で始める音楽理論】第5回 テンションコードで表現力アップ(11th,13th編)

こんにちは、湖舟です。 「ギター1本で始める音楽理論」第5回は、前回に引き続きテンションコードについてお話ししていきます。 【ギター1本で始める音楽理論】第4回 テンションコードで表現力アップ(9th …

音楽理論を学ぶ必要なんてあるのか?←あります

こんにちは、湖舟です。 音楽理論は必要なのか?永久の課題ですね。特にロックバンドをきっかけに音楽にハマった人にとっては、音楽理論なんて1ミリも触れる気にならないかもしれません。ノエル・ギャラガーなら「 …

【ギター1本で始める音楽理論】第4回 テンションコードで表現力アップ(9th編)

こんにちは、湖舟です。 「ギター1本で始める音楽理論」、第4回からは前回までで紹介したコードに音をさらに追加した、「テンションコード」についてお話ししていきます。 このあたりから「コードの名前と押さえ …

【ギター1本で始める音楽理論】第6回 ディミニッシュコード(dim)とシックスコード

こんにちは、湖舟です。 「ギター1本で始める音楽理論」第6回は、ディミニッシュコードとシックスコードについて解説します。第2回からコードの種類と構成音について解説してきましたが、コード単体の話は今回が …

【ギター1本で始める音楽理論】第3回 セブンスコードで世界を広げる

こんにちは、湖舟です。 「ギター1本で始める音楽理論」第3回は、コードの響きを豊かにする音、7度(7th)の扱いについて解説していきます。 第2回の記事では、コードを構成する基本的な要素が1度・3度・ …