こんにちは、湖舟です。
「ギター1本で始める音楽理論」第5回は、前回に引き続きテンションコードについてお話ししていきます。
【ギター1本で始める音楽理論】第4回 テンションコードで表現力アップ(9th編)
9・11・13度の音をテンションノートと呼び、これらを基本的な和音に付け加えることで、テンションコードと呼ばれる、複雑で表現力豊かな響きのコードを作ることができます。前回はナインスコードについて解説したので、今回は11thと13thを加えてできるテンションコードについて解説していきます。テンションコードの話は今回で終わりです。
先に言いますが、今回の内容はほぼ暗記モノになります。
理由は3つ。
- 登場頻度が比較的低いコードが多い
- ギターでは弾けないコードもある
- 後の回で解説する「ダイアトニック・コード」に関する知識が無いと使いづらい
ゆるりと覚えていきましょう。一旦飛ばして次の回に行くのもアリです。
11th・13thの音についておさらい
ドが1度なら、11度はファ(4度の1オクターブ上)、13度はラ(6度の1オクターブ上)となります。
ナインスコードの時と同じように、♭11,#11,♭13,#13を付け加えて作るテンションコードも存在します。(ただし不協和音になってしまう場合もあるので注意)
11th・13thコードを作る時の注意点
sus4やシックスコードと混ざりがちですが、ざっくりでOK
11度は4度の1オクターブ上、13度は6度の音の1オクターブ上です。なので、これらを含むコードの響きは、第2回で解説したsus4や、次回解説するシックスコードの響きと共通性があります。
ギターのコード譜では、sus4と11thコードやシックスコードと13thコードはあまり細かく区別されずに表記されることが多いです。
そこは一旦気にせず、「ドが1度なら11度はファ、13度はラ」ということだけ頭に入れて、押さえられるフォームで押さえましょう。
「使える」コードを覚えましょう
ギターという楽器の特性上、同時に出せる音数や押さえられる位置に限界があるので、音数が増えてくると、「レギュラーチューニングでは押さえられないコード」も増えてきます。
また、11th・13thの扱いは結構難しく、とりあえず付け加えておけばコードとして成立するわけではありません。不協和音になってしまうパターンも多くあるので、コードとして存在するもの-しないものの区別ははっきりしておく必要があります。付け加えると不協和音になってしまうような音のことをアヴォイド・ノートと言ったりしますが、アヴォイド・ノートについての詳しい解説はここでは不要なので省きます。
これらの理由から、前回までのように、存在しうるコードについてひとつひとつ考えていくとキリがありません。「使える」テンションコードをまずは覚えましょう。
11thを使うテンションコード
では早速、実際に使われるテンションコードを紹介していきます。ルートはCに統一します。
Cm7(11)
Cm7に11thを足したコードです。6弦がド(ルート)、4弦がシ♭(短7度)、3弦がミ♭(短3度)、2弦がファ(11度)になっています。
CM7(#11)
CM7に#11を足したコードです。6弦がド(ルート)、4弦がシ♭(短7度)、3弦がミ(長3度)、2弦がファ#(#11)になっています。
C7(#11)
C7に#11を足したコードです。6弦がド(ルート)、4弦がシ(長7度)、3弦がミ(長3度)、2弦がファ#(#11)になっています。
13thを使うテンションコード
CM7(13)
CM7に13thを足したコードです。6弦がド(ルート)、4弦がシ(長7度)、3弦がミ(長3度)、2弦がラ(13度)になっています。
C7(13)
C7に13thを足したコードです。6弦がド(ルート)、4弦がシ♭(短7度)、3弦がミ(長3度)、2弦がラ(13度)になっています。
C7(♭13)
C7に♭13を足したコードです。6弦がド(ルート)、4弦がシ♭(短7度)、3弦がミ(長3度)、2弦がラ♭(♭13)になっています。
Cadd11 , Cadd13も一応あります
前回add9について解説しましたが、11,13の音を三和音にそのまま加えて、Cadd11やCadd13というコードを作ることも可能です。
ただし、これらはCsus4・C6(次回解説)と構成音が似通っており、ほとんどの場合Csus4・C6が使われます。
厳密に言うと、Csus4は三和音でCadd11は4和音になるので、もし「Cadd11」と出てきたら次のように押さえます。
ただ、この押さえ方も「Csus4」と表記されてしまうことが多いので、「Cadd11」のような表記を見かけることはあまりないと思います。
おわりに
ちょっと淡白な内容になってしまいましたが、今回はここまでです。
現状ではテンションコードの使い方についてあまりピンとこないかもしれませんが、ダイアトニック・コードについてのお話のあと、改めてテンションコードの活用法についても解説します。そこまで読み進めていただければ、テンションコードの威力に気づくはずです。頑張りましょう。
次回はディミニッシュコードとシックスコードについて解説します。次回でコード単体の話はおしまいです。その次からは「ダイアトニック・コード」や「コード進行」の話に入っていきます。
お疲れ様でした。ではまた。