Koshu's Music

中村湖舟の部屋。音楽をより楽しむための情報を発信中

曲紹介 音楽理論

【誰でも名曲が書ける?】カノン進行が使われている有名な洋楽10選

投稿日:11/09/2020 更新日:

こんにちは、湖舟です。

音楽好きの方なら、「カノン進行」という言葉を一度は聞いたことがあるかもしれません。作曲やコード進行について調べていれば、必ずと言っていいほど目にする言葉です。 カノン進行とは、17世紀にドイツの作曲家・パッヘルベルが作曲したカノンにおいて用いられた進行であり、次のようなものです。

Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅲm→Ⅳ→Ⅰ→Ⅳ→Ⅴ

キーをCにすれば、

C→G→Am→Em→F→C→F→G

となります。この基本形にいろいろとアレンジを加えて使われることが多いです。

日本人が大好きなコード進行で、井上陽水さんの「少年時代」や、GReeeeNの「キセキ」など、挙げれば本当にキリがないほどヒット曲の中によく登場します。名曲をたくさん生み出す一方で、一回このコード進行を使ってヒットしてしまうと二度とヒット曲が作れなくなる「悪魔のコード進行」でもある、なんて都市伝説めいて紹介されることもあります。

カノン進行が使われているJPOP
  • 少年時代 – 井上陽水
  • 世界にひとつだけの花 – SMAP
  • チェリー – スピッツ
  • HOWEVER – GLAY
  • マリーゴールド – あいみょん
  • キセキ – GReeeeN
  • TSUNAMI – サザンオールスターズ  etc…

それぐらい日本人には馴染み深いコード進行なわけですが、海外の曲ではどうでしょうか?洋楽のヒット曲では、日本ほどカノン進行が多発するわけではありませんが、やはり結構な数登場します。今回はそんなカノン進行を使った洋楽のヒット曲・名曲を紹介していきます。

Don’t Look Back In Anger – OASIS

 

まずはイギリスを代表するロックバンド、オアシスのアルバム「(What’s the Story) Morning Glory?」より、「Don’t Look Back In Anger」です。ライブで演奏されると観客が大合唱するのが定番の名曲です。

Aメロ、サビでカノン進行が使われています。Ⅲm(Em)をⅢ(E)に変えることで、よりドラマチックな展開になっているのが特徴です。

Piano Man – Billy Joel

 

続いては大御所シンガーソングライター、ビリー・ジョエルの代表曲、「Piano Man」です。全体としてカノン進行主体で曲が進みます。

こちらもライブでは大合唱となる曲ですね。そう考えると、カノン進行の曲はファンのアンセムになりやすいのかもしれません。

Basket Case – Green Day

 

グリーン・デイの「Basket Case」は、ただでさえ大味になりがちなカノン進行をパワーコードのみで弾くという、言ってしまえばかなり強引な曲ですが、ビリー・ジョー・アームストロングの声と耳に残るボーカルラインでポップパンクを代表する曲にのし上がりました。この進行の持つポップな部分を最大限に引き出した曲ではないでしょうか。

Cryin’ – Aerosmith

続いては、エアロスミスのアルバム「Get a Grip」収録のヒット曲、Cryin’です。

B’zのヒット曲”Don’t leave me”が構成を参考にしたことでも知られています。Aメロでカノン進行が使われ、サビはⅠ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅳ(A→E→F#m→D)というこちらも非常によく使われる進行です。

 

What Do I Know? – Ed Sheeran

 

エド・シーランのアルバム「÷」収録の「What Do I Know?」はアルバム曲ですが、人気のある楽曲です。

ハイフレットで5度を省略したコードを使っていたりするのでちょっとわかりづらいですが、根底はカノン進行です。余計な要素が無くて良い曲。 

Toy Soldiers – Martika

 

エミネムのサンプリングでも知られる1988年のヒット曲です。とても印象的なサビですが、ここにもカノンが潜んでいます。細かく書くとこんな感じ。

Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm→#Ⅳm7(♭5)→Ⅳ→Ⅴ→Ⅵ#m (E→B→C#m→A#m7(♭5)→A→B→C#m)

#Ⅳm7(♭5)の部分で一番曲が盛り上がるという、ちょっとした応用形の進行です。

Les Champs-Elysées – Joe Dassin

フランス語で歌うアメリカ人歌手のジョー・ダッサンの代表曲です。日本では「オー・シャンゼリゼ」という題名で知られています。

コテコテのカノン進行で良い曲作れたら最強、ということを思い知らされる曲です。

Welcome To The Black Parade – My Chemical Romance

 

続いてマイケミことMy Chemical Romanceの大ヒット曲「Welcome To The Black Parade」です。

カノン進行、ロック、転調に次ぐ転調と、売れそうな要素を詰め込みまくって怒濤の展開でゴリ押してくる楽曲で、聴いてるとちょっと笑ってしまうくらいなんですが、やっぱり盛り上がるしカッコイイですね。2000年代定番のロックチューンです。

In My Life – The Beatles

続いてはビートルズの名曲、「In My Life」です。

こちらもアレンジされたカノン進行が使われています。ビートルズの楽曲はどんなにポップな曲でもカノン進行であることは稀だったりします。

Karma Chameleon – Culture Club

 

最後は、イギリスのニューロマンティックブームを牽引したカルチャー・クラブの大ヒット曲「Karma Chameleon(カーマは気まぐれ)」を紹介します。

サビの歌詞がとても印象的で、これをカノン進行に乗っけたら頭に残る曲にならない訳がありません。日本でもよく知られた曲です。

おわりに

いかがだったでしょうか。今回挙げた楽曲はどれも、定番のコード進行の上に素晴らしいメロディを乗せたからこそヒットした曲ばかりです。カノン進行は過去曲で使われすぎているせいで、そのまま使うと大味になってしまいがちです。

カノン進行で曲作っとけばいいでしょ、くらいのノリで曲を書くとダサい曲が出来上がることもあるので、「使えば売れる悪魔のコード進行」というわけでもなさそうです。

それではまた。

-曲紹介, 音楽理論

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

【ギター1本で始める音楽理論】第4回 テンションコードで表現力アップ(9th編)

こんにちは、湖舟です。 「ギター1本で始める音楽理論」、第4回からは前回までで紹介したコードに音をさらに追加した、「テンションコード」についてお話ししていきます。 このあたりから「コードの名前と押さえ …

【ギター1本で始める音楽理論】第1回 度数とコード

こんにちは、こしゅーです。 今回から音楽理論を0から学べる連載を始めていこうと思います。この連載の目的や、音楽理論を学ぶ意義については前回の記事や前々回の記事をご覧ください。 音楽理論を学ぶ必要なんて …

音楽理論を学ぶ必要なんてあるのか?←あります

こんにちは、湖舟です。 音楽理論は必要なのか?永久の課題ですね。特にロックバンドをきっかけに音楽にハマった人にとっては、音楽理論なんて1ミリも触れる気にならないかもしれません。ノエル・ギャラガーなら「 …

【ギター1本で始める音楽理論】第0回 音楽理論のシリーズ連載始めます。

こんにちは、湖舟です。 ギターの演奏自体は好きだけど、音楽理論は難しそう・面倒くさそうだし、自分には必要ないかな・・・と思ってらっしゃる方は多いと思います。特にロックやポップスの世界では、理論を知らず …

【ギター1本で始める音楽理論】第6回 ディミニッシュコード(dim)とシックスコード

こんにちは、湖舟です。 「ギター1本で始める音楽理論」第6回は、ディミニッシュコードとシックスコードについて解説します。第2回からコードの種類と構成音について解説してきましたが、コード単体の話は今回が …